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テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)がNYSEの上場!Spotifyとのビジネスモデルの違いとは?

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2018.12.25

 

 

12/12 テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)がNYSEに上場し、公募価格13ドルを上回る14.1ドルで初値をつけた。4月にNYSEに上場したスウェーデン音楽配信サービスSpotify(スポティファイ)の時価総額2兆円6千億円に並んだ形だが、両社のビジネスモデルはかなり異なっているようだ。

 

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)は圧倒的な収益性を確保!

12/12、テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、公募価格である13ドルを8%程度上回り14.1ドルの初値をつけた。その後も順調に商いが行われ引け値は14ドルで上場初日の商いを終了した。

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)の時価総額規模は、ライバルであるSpotify(スポティファイ)と同水準である時価総額は約230億ドル(約2兆6千億円)に達したわけであるが、実は両社の財務状況は対照的であり、そのビジネスモデルも大きく異なる。

まずは、テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)のプロスペクタス(上場目論見書)の中から、直近の財務数値を抜粋してみたい。既に2016年12月31日の決算で黒字化を実現しており、2018年6月30日の時点では、9億300万中国元(日本円で148億円程度)の最終利益を確保していることがわかる。

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)のプロスペクタス(上場目論見書)より抜粋)

 

一方のSpotify(スポティファイ)の収益は、株式上場時点(2018年4月)では赤字であり、直近に発表された第三四半期(2018年9月30日)の時点でも、未だ赤字を継続している。時価総額は同じであるが、双方の財務状況には大きな違いがあるようだ。

Spotify(スポティファイ)の2018第3四半期の財務状況より抜粋

 

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)のビジネスモデル、ソーシャル(SNS)と深い関係!

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)は、中国版Spotify(スポティファイ)と説明されることも多いのであるが、ビジネスモデルにおいて大きな違いがあり、ソーシャル好きな中国人の文化背景とともに独自なビジネスモデルを展開している。

Spotifyの収益源はユーザーに対する月額の有料課金(サブスクリプション)と広告収入の2本柱であり、Spotifyのユーザー数1億9,100万人のうち、8,700万人(全体ユーザーの45.5%)がサブスクリプションユーザー(定額課金ユーザー)となっている。Spotifyが対象とする欧米諸国の市場では、音楽を聴くことに対価を払うことに抵抗感がないことが読み取れる。

その一方で、中国では従来より著作権に対する考え方が希薄であり、月額の有料課金(サブスクリプション)のビジネスモデルが非常に成立しにくいという背景がある。大手リサーチ機関であるQuestMobileが公表した2018年7月のデータによれば、テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)のユーザー数は、述べ8億人に達するが、そのうち3.8%しか月額の有料課金(サブスクリプション)ユーザーは存在しないという。中国でも著作権に対する考え方が徐々に浸透してきているのは間違いないが、この数字を見る限り中国では月額の有料課金(サブスクリプション)で音楽を聴く文化構造が根付いているとは、まだまだ言い難いようだ。しかも、対価を支払っているユーザーの平均支払額は、わずか8元(150円程度)とかなり低い水準である。

 

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)のプロフィットセンターはどこ?

さて、音楽配信の有料課金(サブスクリプション)でそれほどの収益が上げられないとすると、テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)は一体どこにあるのだろうか?

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)は、ソーシャルと連動した有名な4つのストリーミングアプリを提供している。QQ Music(QQ音楽)、Kugou Music(酷狗音楽)、Kuwo Music(酷我音楽)、全民 K 歌と呼ばれる4つのアプリであり、オーソドックスなストリーミングサービス、ライブストリーミングサービス、カラオケストリーミングサービスなどである。この4つのアプリは、中国トップ4の音楽アプリとして認知度も高く、4アプリを合計した月間アクティブユーザーは、8億人を超えると言われている。

こうしたアプリは、全てテンセントの本業であるソーシャル(SNS)機能と融合しており、ソーシャルエンターテイメントとしてのジャンルを確立している。中国人特有のカラオケ好き、ダンス好きといった習慣をソーシャル(SNS)と融合することで、そのプラットフォーム上から得られるバーチャルギフトなどの新しい収益源を作り出している。ソーシャル上でライブを展開する歌手に、リスナーはソーシャル(SNS)上でおひねりを送信したりするのである。ソーシャルカラオケとして著名な「全民 K 歌」アプリでは、ユーザーの平均支払額は108元に達しているという。

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)の目論見書に記載されている部門別売上をみても、こうしたソーシャルエンターテイメントに関連するサービス事業が売上全体の7割以上を占めていることがわかる。音楽配信から得られるサブスクリプション収益をはるかに凌駕しているのである。

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)の2018第3四半期の部門別売上(目論見書より抜粋)

 

テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)は、中国独自のソーシャルエンタメ文化を確立しており、今後の動向にも注目していきたい。

 

記事元:Glo Tech Trends

 

 

 


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