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【クォンタム・グルーヴ】vol.3 ‒ DJ KATIE SE7EN が様々な国での多様な経験と独自のクォンタム哲学で、雑然と変わりゆく世界を自分らしく見つめてゆく連載エッセイ。

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2019.07.30

 

アーティスト、母、女性。

踊絵師、神田さおりをご存知だろうか?

舞いながら描くアートパフォーマンスが世界で評価されている、唯一無二のアーティストだ。

 

 

そんな彼女から、お酒を呑みませんかと連絡を頂いた。わたしは喜ばずにはいられなかった。女性からのそんなお誘いは貴重だ。大人になるにつれ、新しい友達は出来にくくなるものだし、交友関係は狭くなってゆくもの。限られた命の一夜を、誰かと過ごすという選択。日本が誇るべきアーティストがわたしと時間を共有してくれるということに対して、わたしはなんてラッキーなんだろうという感謝とともに、そういう人物を引き寄せられた心の在り方を再認識する。

 

この夜、そもそもわたしとさおりさんが出会うキッカケになった女性、コーディネーターをしている沙代さんと3人で会うことになった。代官山のリストランテに遅れて着くと、2階の席に案内された。いつもカジュアルなわたしは、今日もコンバースを履いてきた自分にそれが自分なのだとからと言い聞かせながら、赤いカーペットの階段を登った。

 

 

 2人はコースの途中だったので、わたしは追いかけるように料理を頂いてゆく。女子会といえばキャーキャー騒がしいものだが、今夜はちがう。どんな人にもストーリーがあるけれど、この2人は本当にいろいろ見てきている。大人なのだ。静かに、食の質の一つ一つを感謝とともに味わう。

わたしもそんな2人を前に、少しだけいつもより大人びた気持ちになる。

 

「沙代さんを絶対パリに招待する。」

そういうさおりさんの白い肌は、キャンドルのオレンジ色をうっすらと映す艶を持っている。彼女はアーティストであり、母であるが、女でもあるのだと息をのむ。

「ちゃんと声に出して言うことは大事だから。」

いつかパリでパフォーマンスをする。沙代さんを招待する。それを声に出して言うことで、自己暗示をかけ、現実化していく。静かな物腰のさおりさんだが、そのパフォーマンスに現れているように、内には情熱がもえている。

 

 

黒澤明は80歳の時、映画界に入って54年目にして米アカデミー賞特別名誉賞を贈られた。彼はルーカスとスピルバーグからオスカー像を受け取った時のスピーチで、「私はまだ、映画がよくわかっていない。」と言ったそうだ。

アーティストとは、ある一つのことに情熱を燃やし、常に更なる深みを目指すものなのだろう。誰よりも自分の世界や限界を理解し、誰よりもその先を目指しているから、探求に終わりは無い。

側から見ていると既に素晴らしい成功を収めている神田さおりも、さらにその先へ、その先へ、命を燃やしているのだ。

わたしも命を燃やす。DJというアートフォームで、フロアというキャンバスのその先へ、クォンタムなグルーヴ捻り出し、届けるため。

そんな命の炎が、触れ合う瞬間が来るのだとしたら。

最高だ。

(続く。)

 

 

神田さおり official web site 

 

 

 

 

 

●Profile

 

KATIE SE7EN

 

ロサンゼルス、パナマ、カナダ、スペインなどで海外生活を15年以上経験してきた帰国子女。 カリフォルニア州立大学では犯罪心理学科専攻、民族誌学に重点をおいた人類学を副専攻に卒業し、大学院では脚本を専攻し、イギリスやアメリカの文学作品を読み漁るが中退。女優、モデルとして東京に拠点を移し活動するも、DJとしての才能が開花し、以降KATIE SE7ENとして国内最高峰のクラブをはじめ、イビサでもプレイするDJとなる。 イギリスのレーベルからオリジナル楽曲のリリースもしている実力派であり、イベントのプロデュース、ブランドのパーティやホテルでの選曲なども担う傍ら、最近では豊富な経験を活かした執筆活動を始めるなど、海外視点を知る現代の日本女性として常に自己の革新を続ける。

 

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