【ONKO-TISIN】vol.4 ダンサー YANCHIによるコラム
COLUMN MUSIC
2020.05.09
《99年、00年に見たダンス動画 前編》
僕がハウスダンスを本格的に始めたきっかけはTV-TOKYOで1998年〜2000年まで放送されていた「Gパラダイス RAVE2001」という番組で、
当時高校2年生だった僕は、毎週3倍録画で録画しては繰り返しビデオを見ていました。
その頃からハウスダンスにのめり込んでいくのですが、当時はどうすればステップが踏めるようになるのか?という事ばかり考えていて、
音楽を聴く、感じるという事を深く考えていませんでした。
ビデオを見ながらダンスのジャンルに関係なく、このチームが使っている音楽は好きだなくらいの感覚はあったのですが、当時これは何という曲なのか?
というのは気にして見ていませんでした。
毎週ダンスレッスンに通う様になり、ようやく先生が使っている曲などが気になり始め、その頃から音楽をもっと知りたいという気持ちになりました。
今思えばその頃のちょっと背伸びした気持ちが、新しい音楽や知らない音楽をもっと聞いてみたい知りたいという原点だったのかもしれません。
今回のコラムはそんな初心な当時にダンスの参考にしていたダンス動画とそのショーで使われている中の好きな曲を集めてみました。
当時福岡に住んでいたし周りにビデオカメラを持っている人も少なく、中々ダンスのビデオ自体見る機会が少なかったのですが、
お世話になっていた先輩がゲットしてきた東京のダンサーやN.Yのダンサーの貴重なビデオから得た経験は忘れもしません。
そんな貴重な映像も、今となってはYOUTUBEにアップされているので20年で時代って異常に進んだなと思いながらとても助かってます。
音楽を聞き取るアプリなんか、開発した人天才ですよ。
では、
1本目の動画は↓
日本のハウスダンス界のパイオニアのROOTSというチームとNYのダンサー、ブライアンとのショー。
初めてNYのダンサーを見たビデオで、当時僕は18歳くらいでしたがこれはもう衝撃でした。
とにかく最初はブライアンを真似しまくりましたね。
ここからは、ショーの中で使われている好きな曲を。
1曲目は、
前回のコラムでも少し書きましたが僕も大好きなジョセリンブラウン。Moment Of My Lifeのアルバムに収録されていた一曲。
忘れもしません、高校3年生の時に家の駐車場でダンスの練習していた時に、このアルバムの曲でよく練習していました。
ただ、この曲はイントロが長いしすぐ踊り出せなかったのであまり好きじゃなかったんです。
早くステップ踏ませろよと。そんな事もあったのですが後にこの映像を見た時に、この曲知ってる!となり、イントロって格好良いなと。
以降、無駄にこの曲は本編よりイントロばかり聴いてました。
MAW feat. Jocelyn Brown / Can’t Stop The Rhythm (Album Mix)
2曲目は、Earth People / Dance
ドン・ドン・ドン・ド・ド・ドンというキックの音と無限にループするメロディが永遠に聴けるクラシックハウス。
そしてグルーヴィーなサックスにNYを感じます。
3曲目は、少し聞いただけでDajaeの声が30分は頭から離れなくなり一旦フルで聞き返したくなるこの名曲。
未だにこの曲をクラブで聴くとちょっとテンションがあがってしまいます。
Cajmere ft Dajae / Brighter days (Underground Goodies Mix)
2本目の動画は↓
ハウスダンス界では誰もが知っているN.Yのハウスダンスクルー「DANCE FUSION」。このショーには日本を代表するHIROさん、NORIKOさんも入っていて
その中でもツナギを着て踊っているShannon “Which Way” Sha(シャー)というダンサーにびっくりしました。
当時はシャーが何をやっているのか理解できずまあ適当に踊っているんだろうなと思い何が上手いのか全然分かっていませんでしたが、ダンスを長く続ければ続けるほどシャーのダンスの凄さに気づきました、井の中の蛙でした。
今見ても4:34からのソロは圧巻です。グルーヴが途切れる事なく複雑なリズムを入れたり、予想もつかない変則的なダンス、コントロールしたりわざとコントロールを外したり仕組まれたダンスをします。まさに”Which Way”です。
3:30からの曲なんですが、心地よいメロディーと後半から徐々に盛り上がってくる感じも好きです。夏のお昼、プールサイドで日焼けしながら聞きたいです。
Freestyle Man / Que Domingo Inquieto (Original mix) (feat. Jimi Tenor & Severi Pyysalo)
最後に使われている曲なんですが、Now That Weve Found Loveでも有名なジャマイカのレゲエバンドThird World。
この曲はとにかくテンションアゲアゲでパワフルなボーカルが特徴なんですが、僕は特にギターのソロが好きです。
後にこの曲でショーも踊りました。
Third World / Talk To Me
こうやって振り返ると99年後半、00年の音楽やダンスは今でも鮮明に焼き付いてます。
頭も軽く、がむしゃらに頑張ってたなーと思います。
次回は、ダンス動画中編。
ハウスダンス以外の好きな動画もあげていきたいと思います。
●Profile
YANCHI
2001年に福岡でダンス活動を開始。福岡出身のダンサー。
ハウスダンスを軸にエモーショナルなグルーヴとエッジの効いたリズム、コンテンポラリーダンスで培った発想が融合したダンススタイルは国内外問わず支持されている。数々のアーティストと共演、制作、CM,MV,舞台など幅広く活動し様々な大会での優勝、代表に選出される。
2016年、ホピ族ルーベン氏の協力のもとインディアンジュエリーショップ「LOLMA」をスタート。パイプセレモニーの儀式を経てインディアンネームを授かる。現在、ダンサーだけに留まらずDJ活動や、数々のイベントをディレクション、オーガナイズするなど、型にハマらないボヘミアンスタイルを開拓中。