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【Yesterday Is History, Tomorrow Is a Mystery】vol.07 トラックメーカー・Mori Zentaroによるコラム

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2020.07.14

 

図書室便り その1

 

 

子供の頃から本を読むのが好きでした。

 

小学生の頃は「モモ」や「十五少年漂流記」のような冒険小説が大好きでした。

アウトドア好きの父の書棚にあったスティーヴン・キャラハンの「大西洋漂流76日間」や、野田知佑や椎名誠などのエッセイもすごく思い出深いですし、宮沢賢治や水木しげるなどの日本人作家の幻想的な物語も忘れられません。

 

中学生になると本格的に音楽にハマってしまい小説はあまり読まなくなりましたが、「ロッキング・オン」や「クロスビート」「remix」などの音楽雑誌を毎月買って夢中で読み耽っていました。

当時は今ほど巷に情報が溢れてはいなかったので、毎月の発売日が本当に楽しみでたまりませんでした。

狭義の「読書」とは少し違うかもしれませんが、これも本や文章に対する親しみが増した経験でした。

 

それからまた熱心に本を読むようになったのは、成人してから父方の祖父と交わしたある会話がきっかけとなってのことでした。

 

ある年に帰省した時、自分が今音楽をやっていることを話すと祖父は僕にこう言いました

 

「善太郎、音楽やるがやったら星にロマンを持てえよ。」

 

口数の多い方ではなかった祖父の口からふと発せられたこの言葉に、僕はすごく驚きました。

 

こんな言葉をさらっと言うような人だったんだという祖父自身に対する驚きと、その言葉のカッコよさに対する驚きでした。

 

けど、振り返ってみると祖父の書棚はなかなか大きくてそこにはぎっしりと本が詰まっていたし、そういえば祖父が本を読んでいる姿はよく見かけていたように思います。

物置で、ずっと昔に祖父が地元の新聞に寄稿したコラムの切り抜きを発見たこともありました。

 

正直なところ、祖父とは離れて暮らしていたし、特別に仲が良かったというわけではないので詳しくは分かりませんが、博識な人だったんだと思います。

 

とにかくその言葉に感動した僕はバカ正直に「星」のことを知ろうと、宇宙にまつわる本を読んでみようと思いたちました。

 

そこで出会ったカール・セーガンの「コスモス」という本に感動したことで、僕の読書熱は決定的に再燃しました。

 

(著者所有の「コスモス」上下巻)

 

 

天文学者のカール・セーガンが、1980年に放送された同名のドキュメンタリー番組と連動する形で出版した本なんですが、そこに書かれている、宇宙の実態に関する記述や、歴代の科学者たちの様々なエピソードは、ごく客観的なこの世界の事実や史実を記した内容でありながら、それまで読んだどんな小説よりも面白いと感じました。

 

専門的で小難しい内容のはずなのに、カール・セーガンの語り口がとても軽妙で、ページをめくるたびにワクワクが増していくようでした。

 

何より印象深かったのはそのカール・セーガンの、宇宙の謎を追求することに対する情熱や、人類や地球の未来に向けられた力強くポジティブな眼差しでした。

 

それらが文章や行間から溢れるように伝わってくることに、とても新鮮な感動を覚えました。

 

この「コスモス」は、先述の祖父の言葉とセットでその後の僕のものの見方にとても良い影響を与えてくれたと思います。

 

「コスモス」とは別の本で知ったことなんですが、古代ギリシャでは「天文学」も「音楽」も「数学」の一分野で、互いに密接な関わりを持っていたそうです。

祖父の件の言葉はここから来たものなんじゃないかと思います。

 

残念ながら確かめる前に祖父は他界してしまったので確信は持てませんが、僕の名前の「善太郎」も祖父がつけてくれたもので、ギリシャ時代の哲学者プラトンの言葉に由来しているようなので、そうなのかなと思っています。

 

そんな推測が立てられたのも、読書のおかげです。

 

 

本を読んでいる時間が大好きです。

自分の人生ではなかなか経験できないようなことや、思いもよらないような考え方を教えてくれる本の力はすごいものだと思います。

 

小学生の時、学年で一人の「図書委員」だったんですがその肩書きにかけて、オススメの本をこれからちょくちょく紹介していけたらなと思っています。

 

 

 

●Profile

 

 

Mori Zentaro

 

2013年頃よりトラックメイカーとして活動を開始。 以降様々なアーティストへのトラック、楽曲提供を行う。 ミュージシャン、フォトグラファー、ペインター等が集う アーティストコレクティブ「Soulflex」に所属。 Soul,R&B,Hiphop,Jazz,Funk,Electronica,Alternative Rock など、あらゆるジャンルから影響を受けた多彩な音楽性を特色とし、2017年に行われた国内最大級のトラックメイク、 ビートメイク、作曲の大会「beat grand prix vol.02」では ファイナリストに選出された。

近年ではSIRUPの他、「香取慎吾」「山本彩」「向井太一」など数多くのアーティストからの楽曲オファーが殺到。現在最も注目されるトラックメーカー・プロデューサーの1人。

 

Mori Zentaro:

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Soulflex:

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