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【Yesterday Is History, Tomorrow Is a Mystery】vol.17 トラックメーカー・Mori Zentaroによるコラム

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2020.12.04

 

クリスマス・シーズンにおすすめしたい映画

 

 

波乱に満ち満ちた2020年も12月に入り、だんだんと年末の雰囲気が街に漂い始めました。

クリスマス・ソングもそこかしこで聴こえてきます。

 

僕は毎年、クリスマスだから何かするとかは特にないんですが、自分にとって大事なある映画がクリスマスにちなんだものなので、今回はその映画を紹介したいと思います。

 

その映画というのは1995年に公開された「スモーク」という作品です。

 

 

ニューヨークはブルックリンの街角にある小さな煙草屋の主人と、その店の常連の作家という、二人のくたびれた感じのおじさんを軸にして、彼らと関わり合う人々の人生模様を描いた作品です。

 

僕がこの映画と出会ったのは、多分96年とか97年くらいのことで、当時映画に夢中の小学生だったんですが、少し背伸びをしてジム・ジャームッシュやクエンティン・タランティーノの監督作品のようなインディー系の映画を見漁る中で初めて観たように記憶しています。

 

その時は、特に盛り上がりもオチもないし、先述のジム・ジャームッシュ作品みたいなカッコよさやタランティーノ作品のような痛快さもないし、がっかりとはいかないまでも、なんだかよくわからなかったなと感じた覚えがあります。

 

けど、観終わってしばらくしてからも、なんとなく映画の登場人物たちのことが頭から離れず、劇中の会話などをぼんやり思い返したりしていました。

 

映画を観て、特に面白いとは思わなかったのに、ずっと心に残ってるなと感じたのはこの作品が初めてでした。

 

それからまた見返したのは成人してからのことだったと思いますが、その時にその「なんでもない」感じがすごくスッと馴染んだというか、しみじみと、いい映画だなと思いました。

 

やっぱり盛り上がるような展開もないし、映画の中でなにかがスッキリと解決するわけでもないんですが、全然思ったようにはいかない人生を、たまに逃げたり誤魔化したりしながらも、なんとかかんとか受け止めて、歩んでいこうとしているような登場人物たちの物語に、じんわりと心が暖まるような思いがします。

 

会話劇的な作風で、煙草屋に集まる常連たちのやりとりや、ある親子の会話、作家の男が合間合間に語る小話など、俳優陣の味のある演技も相まって印象深い場面がたくさんあるんですが、ラストで煙草屋の主人が作家に向けて語るある話が、クリスマスにまつわるものになっているんです。

 

煙草屋の主人がその話を語り終え、作家とのちょっとしたやりとりがあったのち、Tom Waitsの「Innocent When You Dream」が流れる中で、その話の内容がモノクロの映像で再現されて映画は幕を閉じるんですが、なんともいえない暖かさや儚い感じが余韻となって、観賞後も長く尾を引きます。

 

決して派手さは無いですが、観る側の心を映すような懐があり、一年の締めくくりにゆったりと楽しめる映画だと思います。

 

気になった方はぜひご覧くださいませ。

 

 

 

 

 

●Profile

 

 

Mori Zentaro

 

2013年頃よりトラックメイカーとして活動を開始。 以降様々なアーティストへのトラック、楽曲提供を行う。 ミュージシャン、フォトグラファー、ペインター等が集う アーティストコレクティブ「Soulflex」に所属。 Soul,R&B,Hiphop,Jazz,Funk,Electronica,Alternative Rock など、あらゆるジャンルから影響を受けた多彩な音楽性を特色とし、2017年に行われた国内最大級のトラックメイク、 ビートメイク、作曲の大会「beat grand prix vol.02」では ファイナリストに選出された。

近年ではSIRUPの他、「香取慎吾」「山本彩」「向井太一」など数多くのアーティストからの楽曲オファーが殺到。現在最も注目されるトラックメーカー・プロデューサーの1人。

 

Mori Zentaro:

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Soulflex:

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