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「創業の精神を継承し、南国・鹿児島で育む蒸留酒の新たな価値と世界品質へのあくなき挑戦」本坊酒造株式会社 “Japanese GIN 和美人”リニューアル新発売スペシャルインタビュー

INTERVIEW PROFESSIONAL

2021.04.15

 

近頃、世間で話題となっている「クラフトジン」。
ロンドンで人気に火がつき、ヨーロッパ、そして世界へと広まったジン・クラフトジンの流行は着実に日本にも押し寄せてきている。

 

2008年頃より世界各国でそれまでのジンとは異なった個性豊かな味わいがブームメントを起こし、その土地ならではの特産品を使った高級クラフトジンが誕生していった。
この多様性と個性こそが、クラフトジンの最大の特徴である。

 

今回のSuppage PRESSでは、ジャパニーズジンを語るに欠かせない存在である本坊酒造株式会社が製造・販売するクラフトジン「Japanese GIN 和美人」のスペシャルインタビューを敢行。

 

2017年に発売してから4年の年月を経て、今年2月に新しく生まれ変わった「Japanese GIN 和美人」。
創業から現在に至るまでに歩んだ本坊酒造の軌跡、そして「Japanese GIN 和美人」の誕生からリニューアル発売まで、本坊酒造株式会社 津貫蒸溜所でジンの製造に携わる加治佐氏にお話を伺った。

 

 

Japanese GIN 和美人

 

 

 -まずは御社についてご紹介をお願いします。

 

津貫(鹿児島県・南さつま市)で農家を営んでいた本坊松左衛門が父・郷右衛門の志「殖産興業による社会奉仕」という精神を受け継ぎ、明治5年(1872年)に創業しました。純粋な農業から農産物を販売・加工品するなど、家業から事業へ転換していく中、甘藷栽培が盛んであった明治42年(1909年)に旧式焼酎の免許を取得し、蒸留酒の製造へと発展していった経緯があります。
その後、1918年に新式焼酎の免許を取得し、連続式蒸留機を日本でいち早く導入したことが、発展を大きく支えていくことになります。戦後は鹿児島以外にも山梨や長野に製造場を構えるまでになりました。

 

 

 – 昭和3年には天皇皇后両陛下へ御社の焼酎「星」を献上されたそうですね。

 

当時、日本で最新式といわれたドイツ特許の連続式蒸留機(イルゲス式)を国内でいち早く導入し新式焼酎を製造する中で、「星」という銘柄で販売を展開していました。
昭和2年(1927年)に大日本醸造協会品評会で最高金牌名誉賞を獲得し、その翌年に天皇皇后両陛下へ献上しています。

 

 

 – 数々の国際的な賞を受賞されていますが、直近ですとどのような賞を受賞されましたか?

 

昨年は、「ドリンクス・インターナショナル」が主催している世界でも有数の国際的スピリッツ品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2020」で、本格焼酎「屋久杉 Yakushima Jisugi Cask Aging」が焼酎部門における最高賞「トロフィー(Trophy)」を受賞しました。本坊酒造の本格焼酎が「トロフィー(Trophy)」を受賞するのは、2016年、2019年と合わせて通算3度目となりました。
「屋久杉 Yakushima Jisugi Cask Aging」は、世界自然遺産の島・屋久島で植林され育まれた栄養分の少ない花崗岩の大地でゆっくりと成長し、耐久性の高い材質で知られる杉「地杉」でできた樽を、焼酎の追加熟成に使用しています。
屋久島伝承蔵の昔ながらの手造り甕壷仕込みによる芋焼酎を、この地杉樽で熟成しました。地杉樽由来のウッディーでスパイシーな香りとまろやかな甘味が特長の屋久島産芋焼酎です。

 

 

 

屋久島伝承蔵


地杉樽

 

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2020にて
最高賞「トロフィー(Trophy)」を受賞した
屋久杉 Yakushima Jisugi Cask Aging

 

 

 

 – 受賞、大変素晴らしいです。
焼酎に続き、ウイスキーの製造を始めた経緯はどういったものだったのでしょうか?

 

戦後に復興する中で、焼酎以外にワイン、ウイスキーといった洋酒事業へ参入を果たしています。
弊社はそれまで焼酎業を展開させていましたが、1949年にウイスキーの製造免許を取得し、1960年頃には山梨で洋酒事業を本格化していきました。

 

 

 – なるほど。
ウイスキーと同じくワインも1960年頃に免許の取得、そして山梨県東八代郡石和町に山梨工場(現在のマルス山梨ワイナリー)を新設されますが、なぜ山梨の地を選ばれたのでしょうか?

 

まずは葡萄の産地であったこと、当時から山梨の大学にはワインの発酵生産学科があったりとワイン造りが行われてきたことから選んだようです。葡萄からはワインだけでなくブランデーも造ることができるので、当時はウイスキー、ワイン、ブランデーの製造が進められました。

 

 

 – 信州を蒸留所の新設地に選ばれた理由も、ウイスキーを製造する上で環境が整っていると思ったからなのでしょうか?

 

当時、鹿児島と山梨でウイスキーを製造していましたが、より理想的な冷涼な地でウイスキーづくりを行おうということになり、山梨と鹿児島の製造を集約して1985年に長野県の宮田村に信州工場(現在のマルス信州蒸溜所)を新設しました。

 

 

 

マルス山梨ワイナリー


マルス信州蒸溜所

 

 

 – 御社の蔵・蒸留所は鹿児島、津貫、知覧、屋久島等、様々な地に生産拠点を設けられていますが、地域ごとに違いはあるのでしょうか?

 

本坊酒造では、その土地の風土を生かした酒造りを行っています。
例えば、知覧の蒸留所の場合はさつま芋の一大産地なので、新鮮で良質なさつまいもを収穫後すぐに製造できる立地条件にあります。

 

 

 

Japanese GIN 和美人


本坊酒造(株)ジン製造担当 加治佐氏

 

 

 – 今年2月に和美人がリニューアルされましたね。和美人のご紹介をお願いします。

 

ジンと呼ばれるお酒は、必ずジュニパーベリーで香りづけがなされています。ベースアルコールにはライススピリッツを再蒸留したスピリッツを使用しているところが和美人の特徴となります。
鹿児島県産の素材を使用するというこだわりの下、和美人に含まれている素材は全11種類ですが、ジュニパーベリーとコリアンダーシード以外は全て鹿児島県産です。

 

 

 

ジュニパーベリー


コリアンダーシード

 

 

 – リニューアルの大きなの特徴として、コリアンダーシードが新たに加わりましたよね。

 

コリアンダーシードは、初期の段階から和美人の素材の候補として挙がっていたのですが、当時は国内での入手ルートがありませんでした。鹿児島県産の素材を使用するという弊社のこだわりを固守する意味で、これまでは素材として使用していなかったのです。
和美人の初リリースから3年ほど経つ中で、コリアンダーを栽培する農家の方をずっと探していました。そんな中、屋久島でコリアンダーを栽培している方がいるという情報が入り直接相談をしてみたところ、種は捨てているとのことでした。まだまだ海外産と併せなければまかなえない量ではありますが、その方のご協力のもと鹿児島県産の素材としてコリアンダーシードを使用できるようになりました。

 

 

 

 – リニューアルをきっかけに、風味や味にも変化がでていますよね。

 

弊社の特徴を出していこうという思いがあり、リニューアル前の和美人は麹由来の風味が感じられるものでした。
リニューアルしたものに関しては、これまでの商品開発の過程で得た経験を生かし、既存のボタニカルを使いながらもジンとしての完成度を高め、弊社としての特徴をうまく組み込むことができたかなと感じています。

 

 

 – 甘みがあることも特徴のひとつですよね。

 

米麹を使用していることで、和美人が持つ独特の甘みが生まれています。リニューアルをきっかけに味わいがよりクリアになりました。

 

 

 

 – ボトルも透明なものから鮮やかなブルーに変わりましたね。

 

爽やかなスカイブルーに、切子をイメージし紋様を施したオリジナル瓶を採用しています。味わいのクリアさをボトルの鮮やかなスカイブルーで感じてもらえたらと思います。

 

 

 – 約3年ほど前に初めてリリースされた和美人ですが、開発の経緯はどのようなものだったのでしょうか?

 

もともとジンをつくるというよりは、「世界に通用するお酒」をつくりたいというテーマからスタートしました。焼酎でもウイスキーでもない新しい分野で挑戦をしようという取り組みです。
そこで「光遠スピリッツ」という商品をまず最初にリリースしました。芋焼酎を再蒸留したものに柑橘類や生姜などで香りを付けた商品です。こちらはジュニパーベリーを使用していないので、ジンとは呼べませんが香り豊かなスピリッツです。

 

 

 

本坊酒造のジャパニーズ・スピリッツ「光遠」
※現在は生産終了

 

 

 – 和美人の前身となる商品が完成したのですね。

 

それをリリースした後に、やはりただのスピリッツではなく、テキーラやラムなどといったように、スピリッツの中でもカテゴリーとして確立されているお酒、いろんな素材を使いやすいという点からジンの製造に着手しました。

 

 

 – 使用するボタニカルを特性ごとに分けて蒸留されているようですが、どのくらいの時間を費やすのでしょうか?

 

ハイブリット型蒸留機を使用して11種類を2つに分けて蒸留しているのですが、24時間ほどを要しています。

 

 

 

 

ハイブリット型蒸留機

 

 

 -「和美人」という名前の由来をお聞かせください。

 

バーテンダーの方と交流する中でヒントを得ました。ジンにかけたネーミングでもあります。

 

 

 – ラベルには、室田志保氏作・薩摩ボタンを採用されていますよね。

 

ラベルデザインでも鹿児島らしさを盛り込みたいという思いから、鹿児島の伝統工芸品である薩摩ボタンで全種類のボタニカルを室田さんに描いていただきました。

 

 

 

 

 

 

室田志保氏作・薩摩ボタン
各ボタン(実寸直径は3cmほど)には
繊細にボタニカルが描かれている

 

 

 – 最後に、今後貴社として目指していることをお聞かせください。

 

本坊酒造では、世界基準を見据えながら、独創性のある商品づくりに努めています。また地域に根ざす企業として地域の資源を活用し、お客様へ訴えかけるような商品開発を行っていきます。
引き続き、国際的なコンペティションにも挑戦し、さらに上のレベルを目指していきたいです。
クラフトジンのブームもあり、ジンを製造・販売されているメーカー様は非常に多いです。その中で本坊酒造らしい、特徴のある商品をつくっていきたいです。

 

 

 – 現在、我々が運営するCollective Music & Cafe Bar Suppageでも和美人を提供しております。入荷して間もないにも関わらず人気商品となっています!

 

ありがとうございます。たくさんの方に楽しんでいただきたいです。ジンをまだ飲んだことがない方は、是非一度口にしてみてください!

 

 

 

 

●Company Profile

 

本坊酒造株式会社

本坊酒造は、明治 5 年(1872 年)の創業以来百有余年に亘り、 先代からの思いを繋げ現在に至る。本坊松左衛門は、年号も明治に変わって間もない混乱の頃より、父郷右衛門の志「殖 産興業による社会奉仕」という精神を受け継ぎ事業を展開。明治後半には、薩摩を代表する特産物である甘藷を使っての焼酎製造に着手。
また、昭和の初めより取り組む山林事業も、現在 では鹿児島、宮崎、熊本にまたがる広さとなり、地球環境の維持に貢献できるよう努力するなど、創業以来一貫して変わらぬ姿勢、郷土愛に根ざすという創業の精神を今もなお受け継いでいる。

 

本坊酒造株式会社 公式WEBSITE

公式通販SHOP

 

 

●Infomation

・「Japanese GIN和美人」リニューアル新発売

2021年2月16日に「Japanese GIN和美人」をリニューアル。新たなボタニカルを取り入れた酒質に、オリジナルボトル仕様のデザインで生まれ変わった。
蒸溜所のある南さつま市加世田津貫で収穫した金柑の果実や、けせん(ニッケイ)の葉をはじめ、柚子、檸檬、辺塚橙、緑茶、生姜、月桃、紫蘇といった鹿児島各地で収穫された9つのボタニカルと、ジュニパーベリーに、新しくコリアンダーシードを加え、ハイブリッド型スピリッツ蒸留機で蒸留しブレンド。
伝統を継承する匠の技で、素材が持つ特性を引き出すことにより、コリアンダーシードのスパイシーさがジュニパーベリーのフレーバーを引き立たせ、金柑、柚子といった柑橘系フレーバーをはじめ、それぞれのボタニカルと調和して爽快感のある香りと味わいに仕上がっている。

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